このページでは、2023〜2024年度版「図書館概論」レポートの書き方を説明しています。
ここで紹介しているやり方は必ずしも正しいとは限らず、あくまでも考え方の一つに過ぎません。
合格レポート例は、こちらのページを参考にしてください。
レポート全体の注意点や順番については、こちらのページで説明しています。
レポート設題
公共図書館を1つ選び、レポートを作成しなさい。以下について記入すること。
- 図書館の正式名称と所在地
- 立地、予算、蔵書数、蔵書の年間増加数、貸出数、業務別職員数(内、過去数年間の採用者数、司書有資格者数)、収容座席数
- 図書館サービスの種類と内容
- 見学先の図書館に期待すること、改良すべき点、全体の感想等
評価のポイント
このレポートの評価基準は、設題に挙げられている項目を網羅できているかです。
「不明」を連発したり、調べた項目が不十分だったりすると、再提出になります。
この辺りは設題シラバスにもちゃんと明記されているので、他の科目と比べるとかなり親切です。
また、設題シラバスには「事前に見学希望の図書館にインタビューの申し込みを行うこと」とありますが、そこは上手く言葉を濁しても問題ありません。
あと、添削してくださる先生はとても丁寧な方なので、いくらKULeDが使いづらいといえど、レポートのお作法(段落の先頭は1字空ける、数字は半角にするなど)はきちんと押さえましょう。
書き方のコツ
レポートの参考文献では『日本の図書館:統計と名簿』という本が挙げられていますが、私は断然インターネットで調べることをオススメします。
公共図書館の詳細な情報を知りたいのならば、その運営元、すなわち自治体に確認するのが一番だからです。
自治体では例年、多種多様な統計やら計画の進捗状況やらをまとめた刊行物が発行されます。
ほとんどはインターネット上でも公開され、紙で欲しければ自治体の窓口で一冊百円とかで購入できます。
今回は例として東京都の三鷹市を調べてみましょう。
図書館の「事業概要」や「運営方針」を見る!
多くの自治体は、ホームページに「市政情報」というコーナーがあります。
ここにはいろんな統計・調査結果や、計画、施策などのデータ、そしてPDF版の刊行物が載せられています。
三鷹市HPだと、「市政情報」>「施策・計画」>「個別計画」>「教育委員会」の中に「三鷹市立図書館の基本的運営方針(令和2年6月改訂版)」というPDFがありました。
こういう図書館に特化した計画や基本方針が見つかればこちらのものです。
今回必要な情報はほぼ全てこの中に揃っています。
三鷹市の場合はご丁寧に今後の課題点まで発表してくれているので、だいぶレポートが書きやすくなります。
もしお近くの自治体のホームページに必要な情報が載っていなかったら、「図書館運営方針」とかでググって適当な自治体を探してみてください。
さて、蔵書数、貸出数などの基本情報やサービスの内容はこれである程度カバーできましたが、これだけではまだ不十分です。
予算、業務別職員数など残りの項目は、自治体が出している他の刊行物を見る必要があります。
予算書を見る!
図書館の予算は、その自治体の予算書を見れば分かります。
予算書そのものはやたら分厚くて分かりにくく、見るのも面倒なほどですが、一般市民向けに予算書の概略版を出してくれている自治体も多いです。
例えば、先ほど例に挙げた横浜市だと、こんなに素晴らしいページがあります。
こんな風に図書館の情報だけをまとめてくれている自治体だとありがたいのですが、区や政令指定都市ではない中規模の自治体は恐らくそこまで手が回っていないと思うので、大人しく予算書を使って調べましょう。
予算書は予算書で、何にどのくらいお金が使われているのかが分かるので、今後の課題を書くときに役に立ったり立たなかったりします。
ちなみに、図書館事業は予算科目(款項目節)で言うと「教育費(款)」>「図書館費(項)」に当たります。
予算書を見るときの参考にしてください。
職員数を調べる!
業務別職員数は、予算書や決算書の人件費の欄に人数が書いてあることもありますが、司書が何人いるかまでは書いていないこともあります。
横浜市のように詳細な資料があればいいのですが、三鷹市は課ごとの職員数や司書数は書いていなかったので、ここはざっくり予算書に載っている人数を書いて凌ぎます。
予算書・決算書だと、会計年度任用職員と呼ばれる非正規職員の人数が書かれていることが多いです。
今後の課題を考える!
ここまでに調べた情報を踏まえて自分の頭で考えられるのが一番ですが、何を書くのが正解なのか分からないこともあるかと思います。
三鷹市や横浜市、川越市のように、運営方針や基本計画に今後の課題を書いてくれている自治体だった場合は、とりあえずそこを読んでいい感じに抜き出しましょう。
私はインタビューした感を出したかったので、実際に図書館を見学して感じられる利用者目線の課題点と、実際に図書館で働いている職員が考えている運営者目線の課題点の両方を書きました。
前者はお近くの図書館に行って不便に感じたことをそのまま書けばいいですし、後者は先ほどの運営方針で書かれている今後の課題を拝借すればそれっぽくなります。
「図書館概論」に関しては、どれくらいちゃんと調べているかが採点基準で、自分の意見はそこまで合否に関わってきていないような気がするので、よほど突飛なことを書かなければ大丈夫かと思います。
レポートの参考例
実際のレポートは以下のページを参考にしてください。
また、他の科目については以下のページにそれぞれ掲載しています。
- 「生涯学習概論」レポートの書き方
- 「生涯学習概論」レポートの参考例
- 「図書館情報技術論」レポートの書き方
- 「図書館情報技術論」レポートの参考例
- 「図書館制度・経営論」レポートの書き方
- 「図書館制度・経営論」レポートの参考例
- 「図書館サービス概論」レポートの書き方
- 「図書館サービス概論」レポートの参考例
- 「情報サービス論」レポートの書き方
- 「情報サービス論」レポートの参考例
- 「児童サービス論」レポートの書き方
- 「児童サービス論」レポートの参考例
- 「図書館情報資源概論」レポートの書き方
- 「図書館情報資源概論」レポートの参考例
- 「情報資源組織論」レポートの書き方
- 「情報資源組織論」レポートの参考例
- 「図書・図書館史」レポートの書き方
- 「図書・図書館史」レポートの参考例
- 「図書館サービス特論」レポートの書き方
- 「図書館サービス特論」レポートの参考例
科目終末試験の対策
レポートを提出したら、いよいよ科目終末試験を受験することができます。
科目終末試験の設題や解答例は以下のページに載せているので、試験対策に役立ててください。